映画「ザナドゥ(Xanadu)」のサウンドトラックXanadu。Electric Light Orchestra(以下、ELO)と、前回紹介したOlivia Newton-Johnの共作になっています。LP盤ではOliviaサイドとELOサイドになっていて、どちらがA面B面かは発売された国によって違っていました。私が所有しているCDでは①I’m Aliveがオープニング曲になっていて、ELOサイドから始まっています。

 サウンドトラック・アルバムとしては、ELOは現代ロックの代表、Oliviaは古き良きポップスの代表というコンセプトで構成されています。OliviaサイドのプロデューサーはOliviaの盟友John Farrar。彼女のほとんどのヒット曲を手掛けた人です。ELOサイドのプロデューサーは、ELOの中心人物Jeff Lynne。アルバムで唯一の共演になった主題歌⑤Xanaduは、全英1位、全米8位など世界中でヒットして、ELOにとっては最大のヒットになりました。

 映画のストーリーは、地上に最高の音楽の殿堂を作るために集まってくる人たちを描いたミュージカルで、Oliviaは音楽の女神を演じていて、往年のミュージカル俳優のGene Kellyも出演しています。残念ながら映画は興行的には失敗、評論家からの評判も散々でしたが、アルバムは大ヒットして、全英2位、全米4位になりました。

 Jeff Lynneは、映画が酷評されたこともあって⑤Xanaduについてはほとんど演奏していませんでしたが、④All Over The Worldはライヴでも定番のナンバーでしたし、2005年発表のThe Very Best Of Electric Light Orchestraでは、自身がリード・ボーカルをとったニュー・バージョンのXanaduも発表しています。

 一方のOliviaにとっては、⑤Xanaduは彼女のライヴではなくてはならないナンバー。⑥Magic(全米全英ともに1位)や、Cliff Richardと共演した⑦Suddenly(全米20位)は大ヒットしています。

 このアルバムは個人的にも大好きなアルバムで、今でもよく聴きます。曲調や華やかな感じのアルバム・コンセプトもそうなんですが、なんというか、来るべき80年代の洋楽黄金時代(勝手にそう思っているだけですが…)の雰囲気が詰まった、時代をよく表したアルバムだなってところが好きなんですよね。